Point 営業職としてAを採用しましたが、実績や能力がわからなかったため、まずは1年間の契約期間を定めました。 ところが、Aは、思うように成果を上げることができず、採用時に見込んでいた売上の半分も達成することができませんでした。 もう間もなく契約終了の1年間も経とうとしていたので、Aを呼び出し、「このままの成績では当社で仕事を続けてもらうことは難しいかもしれない。」と話しました。 すると、Aは、翌日から出社しなくなった上、連絡を取ることもできなくなりました。 当社としては、Aとの雇用契約を終了したいと思いますが、この場合にはAとの雇用契約の終了理由は何になるのでしょうか。 また、Aと雇用契約の終了をめぐってトラブルになった場合、どのような点に注意しておくべきでしょうか。₁ 労働契約の終了事由は、①退職、②合意退職、③解雇、④雇止めに大別されます。₂ 労働契約の終了事由によって有効とされる要件や法的効果が異なるため、いずれの労働契約の終了事由に該当するのかを整理する必要があります。₃ 雇用契約終了時のトラブルでは、労働者側の要求事項が何かを見極める必要があります。会社側としては、労働者側の要求事項を鵜第11章 労働契約の終了258相談事例第1 労働契約の終了原因
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