(試し読み)家庭裁判所における監護者指定・保全の実務
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4 子の意向(心情)調査 79② 子の意向(心情)の把握③ 調査の区分○調査に対する認識 家裁調査官は,監護者指定審判事件の調査の導入に当たっては,次の説明を行うことが多いようです(→第2編Scene9【子の親と暮らしたいか」という監護権の帰趨に対する意見を直接的に指すだけのものではない。 子の意向(心情)を捉えるには,子から得られた言葉や態度等だけではなく,子の理解力や記憶力,表現力などの発達状況,子が得ている父母の紛争に関する情報,これまでの親子関係や生活状況,現在の生活状況などを踏まえることが重要となる。 子どもが抽象的な思考,認識を獲得し始める発達時期とされる10歳をおおよその目安として,10歳未満の子には「心情調査」,10歳以上の子には「意向調査」とされることが多いが,厳密に基準が定められているものではない。⑶ 調査によって明らかにする主な事項 調査によって得られる子の言動を的確に理解するためには,子が調査に関していつ,誰から,どのような説明を受け,どの程度理解できているかを把握することが極めて重要な前提となる。そのため,子の調査に対する認識については,家裁調査官の自己紹介など調査開始に当たっての導入直後にまず確認することが多い。子の理解が十分でなかったり,誤った説明を受けている場合は,早期に正しい情報を伝える必要があるためである。そして,調査の進行中,必要に応じて確認と説明を繰り返すことが重要である。Q 子に対する調査に当たっては,どのような説明がされることが多いのでしょうか。16どもへの説明シート】参照)。

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