る(括弧内は平成30年)。Q52「令和3年中の交通事故の発生状況」(令和4年5月24日))。労災事故・交通事故が減少しているのに不慮の事故による死亡者が増加していることから,それ以外の死因が増加していることになる。平成20年の不慮に事故による死亡者38,153人の内訳は,次のとおりであ◦交通事故―7,499人(4,596人)◦転倒・転落・墜落―7,170人(9,645人)◦不慮の溺死及び溺水―6,464人(8,013人)◦不慮の窒息―9,419人(8,879人)◦煙,火及び火炎への曝露―1,452人(1,017人)◦有害物質による不慮の中毒及び有害物質への曝露―895人(538人)◦その他の不慮の事故―5,254人(8,525人)平成20年以降の10年間で増加したのは,転倒・転落・墜落,不慮の溺死及び溺水並びにその他の不慮の事故であることが分かる。転倒・転落・墜落は労災事故でも発生するが,高齢者にも多い事故態様であるので,増加分の多くは高齢者の増加に起因すると思われる。不慮の溺死及び溺水は,水泳などでも発生するが,増加分の多くは高齢者の浴槽での溺死と思われる。その他の不慮の事故は,地震などの災害が典型である。以上から分かることは,交通事故を除けば,傷害事故の多くは高齢者に起こることである。そして,自動車利用者の多くは自動車総合保険に加入し,そこには搭乗者傷害保険,無保険車傷害保険,自損傷害保険及び人身傷害補償保険をセットすることができるので,これらの保険で傷害の補償はカバーすることができる。そうすると,あえて交通事故以外もカバーする傷害保険に加入する意味としては,高齢者と,傷害を負う可能性のある職業に就く者に限られるのではないかと思われる。傷害疾病定額保険は,保険法66条から94条であるが,生命保険の37条から65条と条文数が対応しており,生命保険の条文に29(マジックナンバー115
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