3 募集時の労働条件を変更する場合4 募集時の労働条件と労働契約 (募集時の労働条件が不明確な場合)5た場合,原則として,それが労働契約の内容となると考えられます(後掲千 求人広告自体は,それだけでは契約が成立しない申込みの誘因と考えられますが(後掲八洲測量事件),求人広告や説明会において具体的な労働条件が明示され,労働者がそれを見て応募し,これに対して使用者が異なる別段の労働条件を表示することなく採用内定を通知した場合,採用内定通知に,求人広告記載の労働条件で労働契約を締結する旨の意思表示が含まれると考えられ,同条件の労働契約が成立することとなります。 募集時に求人広告等において具体的な労働条件を明示した場合であっても,その後,労働契約締結の前後に,使用者が異なる労働条件を提示し,これに労働者が同意した場合は,当該労働条件が契約内容となります(後掲千代田工 なお,募集時に明示した労働条件を変更する場合は,①求職者に対して変更内容を明示すること,②明示の際は変更内容等を十分に理解する方法を採ること1,③明示は可能な限り速やかに行うこと,④求職者の質問に対して適切に説明すること,⑤安易に変更をしないこと,⑥学校卒業見込者等については変更を行うことは不適切であること,⑦継続して募集中の求人票等についても必要に応じて修正することが求められています(職業安定法5条の3 労働者募集時から実際の採用時までは一定の期間があるため,企業が募集において提示するのは募集時の現行賃金額で足りるとされています。Case1 募集の際の労働条件の提示代田工業事件)。業事件)。第3項,指針第3の3)。 1 求人票や募集要項で当初明示された内容と,変更された後の内容とを対照できる書面を交付することが望ましいが,変更された事項に下線を引く,着色する,注記をする等の適切な方法によることも可能とされています(指針第3の3⑶参照)。
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