A当該事情のみで普通解雇をした場合,解雇権濫用として解雇無効とQ担当役員も出席する大事な会議に朝寝坊した従業員がおり,担当役 員も大変ご立腹です。当該従業員は勤務成績も不良のため,今回はかばい切れず,辞めてもらうほかないと考えておりますが,従業員本人には退職の意思はないようです。さすがに懲戒解雇は気の毒なので,普通解雇をしようと思っていますが問題ないでしょうか。される可能性があります。 当該従業員の職務内容や採用理由を確認し,雇用継続することによる会社業務の正常な遂行に与える影響の程度,当該従業員に対する指導や注意等の内容,他に配置する部署の有無などの事情を考慮し,慎重に判断をすべきでしょう。 解雇とは,使用者による労働契約の解約のことをいいます1。 期間の定めのない雇用契約については,民法627条1項によれば,使用者としても,2週間の予告期間を置けばいつでも解約することができることとされており,一般に,同項は使用者の解雇の自由を認めた規定と解されています。もっとも,使用者の解雇の自由を無制限に認めた場合,経済的耐久力仕事上で大失敗した従業員を解雇することができますか1 解雇に対する法規制の概要Case24普通解雇の可否179 1 菅野和夫『労働法』(弘文堂,第12版,2019)775頁。Case24 普通解雇の可否
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