3_性国

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１　国際人権法と「性／性別」、「マイノリティ」3５）る。ヨーロッパ地域における宗教改革期における宗教的マイノリティの保護を端緒とし、19世紀には保護対象が民族的マイノリティへと拡大され、国際連盟期には言語的マイノリティも含まれるようになった。国連憲章においても「人種、……言語または宗教による差別」（国連憲章１条３項）なき人権の享受が謳われている。これは自由権規約27条などの実体規定へと結実し、自由権規約委員会の一般的意見23では具体的な解釈の６）指針も示されている。かつて、国連経済社会理事会のもとに置かれていた国連人権委員会（Commission of Human Rights）には、シンクタンク的な役割を果たす差別防止・マイノリティ保護小委員会（Sub‒Commission on Prevention of Discrimination and Protection of Minorities. 1999年に人権促進保護小委員会へ名称変更）が設置されていた。同小委員会は、マイノリティに関連する人権を「マイノリティ権利宣言」として定式化し、同宣言は７）総会において採択されている。マイノリティの保護は、地域的な人権条約としても取り上げられている課題でもある。５）本書ではminorityの訳語として「少数者」「少数派」という日本語に含まれる数量的なニュアンスよりも脆弱な立場におかれていることを強調するため、「マイノリティ」というカタカナ表記を用いることとする。６）Human Rights Committee, General Comment No. 23 : Article 27 (Rights of Minorities), adopted 8 April 1994, U.N. Doc. CCPR/C/21/Rev.1/Add.5.７）“Declaration on the Rights of Persons belonging to National, Ethnic, Religious and Linguistic Minorities,” General Assembly resolution 47/135, adopted 18 December 1992, U.N. Doc. A/RES/47/135. アズビョン・アイデ委員による逐条解説も公表されている。Final text of the Commentary to the Declaration on the Rights of Persons Belonging to National or Ethnic, Religious and Linguistic Minorities, U.N. Doc. E/CN.4/Sub.2/AC.5/2001/2, 2 April 2001. 国際人権法におけるマイノリティの権利の生成と展開については、金東勲『国際人権法とマイノリティの地位』（東信堂、2003）46‒77頁。あり、いわば、「女性であること」の境界線引きをも含む国際人権法の主題である。⑵　マイノリティと国際人権法国際人権法には、マイノリティの保護についても長い歴史があ