共紛
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(注128)第3節 共有関係の解消所在等不明共有者以外の共有者から異議の届出がないこと遺産共有持分である場合の特則(相続開始の時から10年経過していること)(注128) 『村松ら』137頁得請求者を含む他の共有者による持分取得請求の手続保障は担保されているから,後行の持分取得請求に基づく公告や通知をする必要はないと考えられる。 また,持分取得裁判の申立てを受けた裁判所が改正非訟事件手続法87条2項の規定による公告をした場合において,その申立てがあった所在等不明共有者の持分について申立人以外の共有者が同項5号の期間が経過した後に持分取得裁判の申立てをしたときは,裁判所は,当該申立人以外の共有者による持分取得裁判の申立てを却下しなければならない(非訟87条11項)。なぜなら,持分取得制度においては,持分取得請求をした共有者の持分割合で按分して,所在等不明共有者の持分を取得し(民262条の2第1項後段),かつ,各申立人が供託すべき金額が定められるなど(非訟87条5項),手続に与える影響が大きい。そこで,申立人以外の共有者がいつまでも申立てをすることができることは相当でないから,申立人以外の共有者による申立期間が定められ,かつ,当該期間経過後の申立ては却下されることになったのである。② 供託命令 供託命令は,請求者ごとに命じられる。上記⑴の事例では,甲と乙は丙の持分の2分の1ずつ(土地の持分の6分の1)の時価相当額に相当する金額を各自が供託することになる。〈図表7 所在等不明共有者の持分取得フロー〉申立て申立人:対象不動産の共有者管 轄:対象となる不動産の所在地を管轄する地方裁判所要 件: 対象となる共有不動産に所在等不明共有者がいること100

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