登記申請書(注130)第3節 共有関係の解消者代理人)として申請することになるため,事実上の単独申請といえよう。れた日ではない。)である。(注130) 本設問解説3の⑹①(95頁)において,供託に関する局面ではあるものの「不動産の共有者を知ることができない場合(例:数次相続の発生により,相続人の把握が困難であるケース等),その持分割合が不明であり,ときに,共有者の総数さえ分からない場合もある。持分取得裁判における供託命令が所在等不明共有者の利益を確保することにある以上,例えば,所在等不明共有者の総数が不明な事案では,不動産全体の時価相当額を供託額として算定されるなど,所在等不明共有者の利益になる方向で供託金額が定められることが予想される。」という説明をしており,立案担当者によっても同様の説明がなされている(『村松ら』160頁)。一方で,登記申請手続においては,「何某持分移転」の旨や,移転する持分の記録が必須となるため,共有者の氏名や持分が特定できない以上,その持分取得(その結果を登記すること)は,現行の登記実務においては実現不可能である。 具体的な登記申請手続は,確定裁判に係る裁判書の謄本が代理人の権限を証する情報及び登記原因証明情報となる。また,登記原因は「年月日民法第262条の2の裁判」であり,その日付は当該裁判が確定した日(当該裁判がさ 本設問の【解説】3⑺③(97頁)に記載のとおり,持分取得裁判は,確定しなければその効力を生じない(非訟87条9項)。また,この裁判は,即時抗告されないまま抗告期間が満了すれば確定し(非訟56条4項・5項),この即時抗告期間は,申立人が告知を受けた日から2週間である(非訟67条1項・3項)ため,通常は,この期間経過により裁判が確定することとなる。 冒頭に記載のとおり本件持分移転登記は判決等による単独申請ではないものの,裁判手続により持分取得の真正は担保されているため,共同申請時における原則とは異なり,登記義務者の登記識別情報を提供することを要しない。下記に登記申請情報例を示すので参考にされたい。〈例10 登記申請書─所在等不明共有者Aの持分(3分の1)を他の共有者Cが取得した場合〉A持分全部移転登記の目的原権利者兼義何市何町何番地務者代理人持分3分の1 C義務者何市何町何番地因令和何年何月何日民法第262条の2の裁判102
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