共紛
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はしがき高 須 順 一荒 木 理 江稲 村 晃 伸松 山   聡関係紛争の解決においては,一方で紛争解決のために民法等の実体法,さらには民事訴訟法等の手続法の解釈,運用を理解した上で,併せて不動産登記法が定める精緻な規律に精通することが求められる。本書はそのための格好の解説書となっている。各所において,「登記手続との接合」という記述が設けられ,練達の司法書士による親切丁寧な解説がなされている。この部分の記述は他に類書を見ないものと自負するものである。 本書は3名の弁護士と1名の司法書士による共同作業が結実した結果である。少人数での執筆は正直なところ負担の大きい作業であったが,その分,連携の取れたバランスのよい仕上がりになったと考えている。何度もの編集会議を実施し,議論を重ねながらの執筆となった。このような作業がなければ,「登記手続との接合」を適切な箇所に盛り込むことはおよそ不可能であったと振り返っている。弁護士執筆者3名はいずれも東京弁護士会法制委員会及び日本弁護士連合会の司法制度調査会で民法改正作業に深く関与してきた者である。当初,2021年の民法・不動産登記法の改正に関する簡単な書籍を執筆することも考えたが,検討を進めるうちに不動産共有紛争に関する全般的な解説書を書くこととした次第である。そのため,発刊まで長期間を要したが,その分,長く読んでいただくことができる書籍になったと考えている。 このような執筆者の希望を快く受け入れてくれ,また,幾度にも及んだ編集会議にも辛抱強く参加いただいた日本加除出版株式会社の編集者である岩尾奈津子氏及び佐伯寧紀氏には感謝の言葉もないほどである。両氏の助力なしには本書を発刊することは到底,覚束なかった。佐伯氏には発刊に至る最後の段階まで本当にお世話になった。篤く御礼申し上げる。 本書が多くの読者の方に利用されることを希う次第である。 2024年12月ii

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