(注9)(注10)登記手続との接合13号)である。体)に対して成立した地役権の設定登記申請を,要役地の共有者全員が申請(注9) 通行地役権など,対象となる土地の一部に地役権が設定されることはある。この場合は,その範囲を特定するために地役権図面を提供し,その範囲も登記事項となる。(注10) 上記のとおり,要役地が共有の場合は,いわゆる保存行為として,共有者の一人が他の共有者(共有者全員)のために登記申請することができると考えられる。一方で,売買の買主が共有である場合に,真正担保など不動産登記法上の制約として,複数の買主のうちの一人から共有者全員のための所有権移転登記申請を行うことはできないとする考え方がある(登研513号123頁)。この考え方と同様に,地役権の場合も,一般論として,共有者の一人からの申請を認めてよいかは慎重な検討が必要であると思われる。ただし,本文中の想定事例のように判決等をもって要役地全体に地役権の設定が認められているなどのケースにおいては,保存行為として,共有者の一人からの申請が認められることに異存はないであろう。するという性質から,要役地持分のために設定することや,承役地持分上に設定することができないとされている。その共有地全体に地役権を設定することが認められるのは当然である。その上で,要役地や承役地が共有地である場合,その登記申請は,共有者全員が,登記権利者又は登記義務者として申請することが原則(不登60条・2条12号・ ところで,ケース21では,裁判こそ共有者の一部の者が提起しているものの,その判決内容は,数人の共有に属する要役地(全体)のために地役権が成立することを認容しているものである。したがって,後は,当該土地(全すべきなのか,共有者の一部の者が申請できるのかという考察となる。この点,すでに判決において認容されている地役権の設定登記を共有者の一人から申請したとしても他の共有者の利益を害するおそれは考えられない。したがって,いわゆる保存行為として,要役地の共有者の一人から地役権設定登記を申請することができる。348一方で,土地が共有地であれば,
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