戸コン
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て(明治19・10・16内務省令22号による戸籍取扱手続の制定),制度の整備が図1 戸籍制度の創設1(注1) 江戸時代においても,地方ごとに,課税などの行政的目的,殊に切支丹禁圧に由来する宗門人別改帳の制度が設けられて,庶民の身分関係についても,ある程度の把握はされていたようである。序にかえて ─ 戸籍法の沿革 「戸籍」制度とは,現在の法制の下では,国家の構成員である国民の身分関係を公の帳簿に登録し,これを公証する制度と説明される。このような意味での戸籍制度が我が国に導入されたのは,明治維新によって近代国家が形成され,欧米の先進国の仲間入りを目指してスタートした明治初期のことである。明治4年に公布された「戸籍法三三則」による制度の創設がそれであり,翌年から施行されたことから,明治5年式戸籍又は壬申戸籍と呼ばれる。この戸籍には,個人の氏名,年齢,本籍,身分関係(婚姻・養子縁組)等とともに,職業,印鑑,宗旨,犯罪などの事項も登録することとされていたから,純粋な身分関係の登録・公証だけでなく,各種の行政上の取締りを目的とするものでもあった。(注1) その後,明治19年に至って,出生届や死亡届その他の届出を懈怠した者に制裁を科す(明治19・9・28内務省令19号)ほか,戸籍手続の細則も定められられた。また,戸籍の様式も改められて,後述の昭和22年法律224号による現行戸籍法が定める様式に類似するものになった。これが明治19年式戸籍と呼ばれるものであるが,行政取締りの色彩を帯びた上記の複合的性格に変わりはなかった。ttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttt─ 戸籍法の沿革序にかえて

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