2 管轄法務局長等の関与31務を地方支分部局として分掌する管轄法務局長等(法務省設置法4Ⅰ・18Ⅰ)においても定めることができる(平成12・3・15通達600号第1の1⑵)。(注3)⑴ 趣旨・目的 前述したように,戸籍事務は,原則として,市町村長が管掌することとされている一方で,全国的に統一した運用を図ることが求められる。このため,本条2項により,管轄法務局長等(市役所又は町村役場の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長をいう。)は,戸籍事務の処理に関し必要があると認めるときは,市町村長に対し,報告を求め,又は助言若しくは勧告をすることができるとされており,また,戸籍事務の処理の適正を確保するため特に必要があると認めるときは,市町村長に対し,指示をすることができるとさ(注1) 地方分権一括法による改正前の地方自治法150条では,機関委任事務における国又は都道府県知事の一般的な指揮監督権の規定が設けられていた。しかし,戸籍事務については,地域ごとに区々にわたることがない全国統一的な運用が特に強く要請されるため,改正前の法3条の規定が適用されることにより,都道府県知事の指揮監督権に係る地方自治法150条の適用は排除されると解されていた(青木=大森『全訂戸籍法』29頁)。(注2) 地方自治法245条の9第3項では,「各大臣は,特に必要があると認めるときは,その所管する法律又はこれに基づく政令に係る市町村の第1号法定受託事務の処理について,市町村が当該第1号法定受託事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができる。」とされるが,戸籍事務については,本条1項が適用されることから,本条4項により,地方自治法245条の9第3項の規定の適用が排除されている。(注3) 管轄法務局長等が市町村長に処理基準を示す場合には,行政組織上の上下関係を前提とする用語である「通達」,「移達」,「訓令」等といった形式ではなく,「通知」によることとされた(平成12・3・15通達600号第1の1⑵,鈴木和男「改正戸籍法及び改正戸籍法施行規則の施行等に伴う戸籍事務の取扱い等に関する通達の概要」民月55巻5号16頁)。第3条〔戸籍事務処理の基準・関与〕ttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttt
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