戸コン
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3 管轄法務局長等が行う調査33(注4) 例えば,届出の審査を適正に行うため,届出事件の処理をする職員を複数配置して相互チェック体制を強化することを勧めるなどがこれに当たる(鈴木・前掲(注3)17頁)。(注5) 例えば,規則82条では,「戸籍事務の取扱に関して疑義を生じたときは,市町村長は,管轄法務局若しくは地方法務局又はその支局を経由して,法務大臣にその指示を求めることができる。」としている。第3条〔戸籍事務処理の基準・関与〕 管轄法務局長等は,市町村長から戸籍事務の取扱いに関する照会を受けたときや,本条2項の助言,勧告又は指示をするために必要があるときは,本条3項により,届出人等に対し,質問をしたり,必要な書類の提出を求めるなどの調査を行うことができる。 本条3項は,戸籍法の一部を改正する法律(令和元年法律17号)において新設された。この改正前においては,上記の調査を行う権限については,明確な根拠規定が設けられていなかったところ,調査の対象となる者に対して当該調査の行政目的を明らかにし,もって,戸籍事務に係る事務処理を円滑に進めることを可能とするなどの観点から,管轄法務局長等が行う調査について法律上の根拠を明確にすることが望ましいと考えられた。そこで,上記の改正において調査の根拠規定が定められたのである(北村治樹=遠藤啓佑=櫻庭倫「戸籍法の一部を改正する法律の概要⑵」民月74巻9号19頁)。上記の改正の際に,市町村長の届書審査における調査権も法27条の3として規定されている。この点については,法27条の3の解説を参照されたい。 このように,本条3項は,管轄法務局長等が従前からいわゆる任意調査として行っていた届出人等に対する調査について,法律上の根拠を明確にするにとどまり,同項が設けられる前後において任意調査としての性質が変更されたものではない。また,届出人その他の関係者に対して過料等の罰則を科す規律は,採用していない。ttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttttt

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