財清
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財産管理事務の指針 3判の告知の際に不在者財産管理人との間で、提出書類の説明、職務内容、今後必要とされる権限外行為の許可審判申立てなどについて情報を共有し、手続を進めるための具体的な期間と内容を決めて計画的に職務を行うことが重要です。3 財産管理の進ちょく状況を確認し、財産管理の終結に向けての方策を検討しましょう。 上記のとおり具体的な管理計画が家庭裁判所と不在者財産管理人との間で共有できている場合は、申立ての理由となった具体的事項(遺産分割や不在者の財産処分など)について、家庭裁判所が積極的に進ちょく状況を照会し、スケジュールに沿った事務処理ができるよう働きかけをすることが重要です。 また、不在者財産管理人においても、家庭裁判所からの連絡や指示を待つといった受け身の姿勢ではなく、財産管理の進ちょく状況や管理業務における課題等について、家庭裁判所に対し、適時適切に報告書等を提出して財産管理の終結に向けて連携することが重要です。 ところで、申立ての理由となった具体的な処理が完了した後も、管理すべき財産が残存している場合は、不在者財産管理人が長きにわたって管理業務を継続することになるため、その物理的、精神的負担は大きいものがあります。家庭裁判所としては、管理すべき財産に金銭がある場合には供託によって管理を終えることの検討や、不在者の権利保護との均衡に配慮しつつも、例えば、不在者名義の動産を売却して管理しやすくしたり、親族の了解を前提に、失踪宣告の申立てをしてもらい、不在者の推定相続人へ財産を引き継いだり、あるいは不在者財産管理人の報酬付与申立てによる管理財産の残存見込みを伝えるなど、負担を軽減する様々な方法を不在者財産管理人とともに検討していくことも必要と思われます。

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