財清
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章2相続人不存在の場合に おける相続財産清算人132 第 2 章 相続人不存在の場合における相続財産清算人【清算事務の指針】 相続人不存在の場合における相続財産清算事務の特徴は、本章で説明するとおり、「債務超過型」「特別縁故型」あるいは「国庫帰属型」など、相続財産を一定のパターンに当てはめて処理し、最終的には管理財産を皆無にすることで手続が収れんすることにあります。 このような手続では、運用上、次の3点が重要です。1 パターン(型)と到達点を設定しましょう。 まず、個別具体的な事件について、どの型に当てはめることになるのか、相続財産清算事務のパターンを決定することが大切です。相続財産清算人選任申立時に、申立人から一定の情報を得られるので、この時点で家庭裁判所は、大まかなパターンのイメージができます。 その後、パターンが確定するのは、相続財産清算人が選任されて、財産状況が家庭裁判所に報告されたときになり、このときに最終的に清算事務をどのように収れんするかの「到達点」を決定することになります。これにより合理的な事務処理と監督が可能となります。 また、相続財産清算事件は、長期にわたることが多く、清算類型のパターンと到達点が確定していないと、家庭裁判所の担当者の異動や、相続財産清算人の改任等の事由が発生したときに、その後の処理にブレが生じるおそれがあります。このパターンと到達点を決定する手続は、ちょうど山登りの際に、頂上とそれに至る最適なルートを決定することに似ています。2 パターン(型)と到達点を共有しましょう。 次に、決定されたパターンと到達点を、家庭裁判所と相続財産清第

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