財清
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4相続財産清算人選任の要件44140 第 2 章 相続人不存在の場合における相続財産清算人裁判例11最二小判昭和29年9月10日(集民15号513頁、判タ42号27頁) 「相続人不明の相続財産は法人となり、この法人は相続人自体でないことは勿論であるが、しかし右法人は相続人不明の間その相続財産を管理し、法定期間経過後は、相続債権者及び受遺者に対する債務の清算をすることを主目的とするものであるから、この点において同法人は被相続人の権利義務を承継した相続人と同様の地位にあるものというべく、従って本件の如く被相続人の生前被相続人より不動産の贈与を受けた者に対する関係においては、同法人は民法177条にいう第三者に該当しないものと解するを相当とする。」「第三者」には該当しない(最二小判昭和29年9月10日(集民15号513頁、判タ42号27頁))。 被相続人の生前に、被相続人から、贈与以外の原因で不動産の所有権を取得していた者や他の物権を取得していた者に対する関係においても、同様に考えられるだろう。⑴ 総 説 相続財産法人が成立し、相続人不存在による相続財産清算人が選任されるためには、以下の3つの要件が必要である。⑵ 相続の開始 相続は、死亡によって開始する(民882条)が、死亡という法的効果を生じる原因には、以下の3つがある。① 自然的死亡② 失踪宣告による死亡① 相続の開始② 相続財産の存在③ 相続人のあることが明らかでないこと(民951条)

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