財清
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ii はしがき相続財産の分与を現在、弁護士として職務を遂行している実務家としての視点を加えて執筆を進めた。その後、各執筆者が、実務家の視点から、今後の財産管理・清算事件の処理指針を示すことを編集目的として相互に内容について協議を重ね、川畑を含めた全員において全体を校正することで本書が完成した。 本書の作成に当たっては、次の点を考慮した。⑴ 「令和3年法改正について」の項目を設け、主な改正内容を示すこととした。 具体的には、不在者財産管理においては、金銭供託による手続の終了(管理人の選任処分の取り消し)の説明を加え、供託の手続を紹介した。 相続財産管理制度においては、相続財産管理制度の改正(民897条の2)、相続財産の清算人への名称変更(民936条1項、952条1項)、公告手続の変更(相続財産清算人選任公告と同時に相続人捜索の公告を行うこととされ(民952条2項)、また、選任時に行われる公告期間内に、請求申出の公告期間を満了すること(民957条1項)など)の説明を加えた。さらに、新設された所有者不明土地管理制度における所有者不明土地管理人等選任時の管理・処分権の専属(民264条の3第1項等)にも言及した。⑵ 令和3年法改正に基づいて本文及び設例を書き改め、同法に基づく財産管理・清算の実務運用を検討した。そして、従前からの実務運用の変容を図示するなど、理解を深める工夫をした。また、不在者財産管理人及び相続財産清算人の職務の手順を書き改めた。⑶ 全編につき、最新の裁判例を加え、設例を検討し、実務を処理する上での留意点を指摘することで、職務に関する理解が深まるように構成した。⑷ 相続財産の清算における「特別縁故者に対する相続財産の分与」

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