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第5 弁護士がホームロイヤー業務を行う際の留意点第5 弁護士がホームロイヤー業務を行う際の留意点 ホームロイヤーには、過去の事件処理ではなく、現在から将来にわたる課題に対する支援(継続性)が求められている。それゆえ、過去の点としての案件処理をすることにとどまっていては、現在から将来課題に対する支援をするための積極的コミュニケーションをとることができない。 生活全般に対する現在から将来にわたる課題解決に向けて、当事者間の人的信頼関係を形成していくためには、1回の相談機会だけではなく、高齢者本人と共同してライフプランを作成する機会を設けて、複数回の事前プランニングを行っていくことが求められる。 さらに、弁護士一人での机上支援では全く不足であることを肝に銘じ、本人の住む地域において、多様な人材支援先につなぐ(連携)ことが大事である。例えば、高齢者の自宅に行かなければ、本人の生活状況が分からず具体的な自己決定支援ができない。弁護士一人では現場での支援に不十分であり、迅速に活動できる実働部隊が必要となってくる。 弁護士一人のみでホームロイヤー契約を受任することはできるが、同契約を履行していくには多様な人材に活動してもらうことが前提となるので、多様な人材との連携が不可欠である。 それゆえ、ホームロイヤーとなる弁護士は、コーディネーターであり、多様な人材をコーディネートする役割が期待される(第2編第1章参照)。313Q1 ホームロイヤー契約とは徐々にホームロイヤーとして支援する内容を増やしていき、これに伴って毎月の報酬額が発生するようにしていけば、本人の負担感を増大させることなく、ずっと寄り添って支援していくことができる。

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