10_対話
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弁護士:時間が限られているので、こちらからの質問に答えてもらえますか? 相談者は、何から話したらいいのか戸惑いを見せており、弁護士を目の前にして、多少不安そうな様子も垣間見えます。一方、弁護士としては、大事なポイントを整理して話してほしいようで、このやり取りでは、相談者に威圧的な印象を与えるかもしれません。法律相談には時間の限りもある中で、どのように工夫したら相談者と良いコミュニケーションが取れるのか、悩みどころです。弁護士:こんにちは。お待たせしました。弁護士の○○と申します。よろしくお願いします。今日は、お忙しい(暑い、寒い、雨天の)中、よくおいでくださいました  ※1。のですが…。相談者:はあ、そうですよね。借金がたくさんあって困っているんです。弁護士:たくさんと言われてもわからないので、金額を教えてください。それから、いつ、どこから借りたのかも必要です。相談者:ええと、金額は、ぜ、全部ですか?弁護士:はい、全額も必要ですし、内訳も必要ですね。相談者:は、はい、ええと…。とにかく、いろいろなところから借りてて、先月、仕事をクビになるまではちゃんと返していたんですが、子どもの塾代が大変で、あと、家がどうなるのかも不安で…。まず、借入先はどこですか?相談者:まあ、はい。弁護士:今日は借金に関するご相談とお伺いしていますが、どういったご状況かお聞かせいただけますか?相談者:あの、何から話したらいいのかよくわからないのですが…。弁護士:そうですよね、何から話したらいいか迷われますよね。うまく話そう01 初めての相談に緊張を感じているとき 11悩みどころ効果的な関わり方

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