10_対話
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01 初めての相談に緊張を感じているとき 15ども、聞かれるままに話しているという状況もあり得ます。弁護士は、こうした相談者の心理状態に意外と気づかないもので、事件が進んでから、依頼者から意外な疑問や思いを聞かされて驚くこともあります。そんな時、弁護士には「先に聞いてくれたらよかったのに」とか「そんな重要な事実をなぜ先に言ってくれなかったんだろう?」と、相談者を責めるような気持が湧き上がるかもしれません。しかし、その原因は、実は弁護士の態度にあった可能性も十分にあるのです。このようなズレが起きないように、質問を始める前に、「途中で、何か言いたいことや疑問などが出てきたら、いつでも話してくださいね。」とはっきり伝えておくことが有効です。これによって、相談者は、安心して話すことができ、また、弁護士からすれば、重要な事実を聞き逃すリスクを回避できることになり、一石二鳥です。例えば、「私が質問している時でも、言いたいことや疑問が出てきたら、遠慮なくお話してくださいね  ※4」とコンパクトに伝える一言で、相談者の緊張をほぐしつつ、限られた相談時間をお互いにとって有効に使うことができるでしょう。

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