10_対話
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あとがき 237本書を執筆し、無事に出版するに至ったことに、感謝と深い感慨を覚えています。しかし、これで私たちがすべての課題を乗り越えたわけではなく、私たち自身もまだ成長と学びの途上にあります。弁護士として直面する困難やジレンマは、日々新たな形で現れ、私たちは常にその解決に向けて精進を続けています。本書が提示する「コーチング」というアプローチも、そのなかの一つの実践であります。コーチングは、依頼者の本質的なニーズに寄り添い、彼らが自らの内なる力に気づき、それを引き出すための有効なコミュニケーションスキルです。と同時に、それだけでは万能ではないことも私たちは理解しています。事案の状況や依頼者のニーズに応じて、様々なアプローチやスキルを組み合わせることが、弁護士としての真の価値を発揮するために重要です。法的な知識、事案を見極める力、そして心理的なサポートなど、多岐にわたる知見やスキルを駆使することが必要不可欠であり、コーチングはその一環だと考えています。その試みの場として、「弁護士×コーチングの可能性を広げる会」という勉強会を隔月で開催しています。参加者それぞれが依頼者のためにどんなことができるかを学びあっていますので、本書に共感された方はぜひ気軽にご参加いただけたら嬉しいです。今回の執筆にあたっては、京野哲也弁護士から貴重な助言とサポートを頂きました。私たちより遥かに多くの経験と知見をもつ京野弁護士から頂いたご指摘のおかげで、私たちの執筆内容も独りよがりなものとならず、多くの読者の眼鏡に叶う内容に到達できたのではないかと多少なりとも自負することができています。この場を借りて改めて御礼申し上げます。本書が、読者である弁護士はじめ士業の皆様にとって新たな視点を提供し、日々の実務において依頼者の幸せを追求するための一助となることを心から願っています。そして、私たち自身もまた、さらなる成長と挑戦を続けていきます。 あ と が き執筆者一同

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