24第1章 リーガルリサーチの見取り図ルリサーチが終わることもあります。2 書籍,雑誌,リサーチツールに親しむ ⑴ 書籍に親しむ リーガルリサーチを身近なものとするためには,まず,日頃から書籍に親しむことが大事です。多くの事務所や企業の法務部門には,共有の書棚,図書室等があるのではないでしょうか。また,私物として,よく参照する書籍,いわゆる「一軍」の書籍を机の上に置いている上司や先輩もいるのではないでしょうか。共有の書棚や上司や先輩の机の上の書籍を参考にしながら,自身の机の上のすぐ手に取れる場所に置く「一軍」の書籍を選ぶようにしましょう。 自身の机の上に置く本や共有本棚等の本については,理想的には,購入したタイミングで,目次を読むとか最後までパラパラとページをめくることで,その本に何が書いてあるか(及びその本が机の上の限られたスペースに置くべき「一軍」の重要書籍か)を把握するのがよいでしょう。改訂等に合わせて一軍書籍の更新を続けながら,常に重要書籍が机の上にある状態を確保すれば,「これってどうだったっけ?」と思ったタイミングですぐさま関係するページを開いて,確認を行うことができます。上記のとおり,各案件の状況において合理的注意を尽くしたと言える限りにおいて,このような「パッとページを開いて終わり」の確認も「十分なリーガルリサーチ」たり得るのです。このように考えることで,リーガルリサーチが身近に感じられてはこないでしょうか。 また,仮に繁忙等の諸事情により,買った本をすぐに読むことができない場合には,「積読」として,読むことができるタイミングまでどこかに置いておくことになるでしょう。このような積読も,後に「読みたい」となったタイミングでその本をすぐに読むことができるという効能があります。例えば,新刊書店で平積みにされていた本を買って手元に置いていたところ,たまたま,あるSNS上のあるフォロワーさんが「その本がとても役に立つ」と投稿しているのを見かけて,自分も読みたくなったという場合,わざわざそこから本屋に出かけて本を持ち帰る,またはオンライン書店で購入手続をして届くのを待つといった手間や時間をかけずにすぐに読むことができます。また,リサーチのために必要となった場合に,その本がすぐ手元にあるというのは大きなメリットです。 さらに,共有の書棚,図書室の本としてそれぞれの分野においてどのようなものがあるのか,そして上司・先輩はどのような本を机の上
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