25に置いて参照しているかという点を把握しておくべきです。共有の書棚や上司・先輩の机の上に置かれている書籍こそが,いざリサーチが必要となった場合に優先的に参照すべき候補となります。上司・先輩の机の上の本の中身を勝手に見るのは問題がありますが,背表紙を見て興味を持った場合には,「貸してください」とお願いすれば,快く貸してもらえることも多いのではないでしょうか。このように,日頃から書籍に親しんでおけば,リーガルリサーチもやりやすくなるでしょう。 ⑵ 雑誌に親しむ 雑誌としては,主に(裁)判例が掲載される判例雑誌,学術論文が掲載されている法律雑誌が挙げられます。また,いわゆる週刊誌・月刊紙のような一般向けの雑誌も広い意味では含まれます。これらに加え,実務雑誌もあります。 確かに,雑誌を全部読むのは大変です。ただ,文献月報(「法律時報」巻末記事)や,学会回顧(例年12月1日発行の「法律時報」に掲載の特集)等をパラパラめくるだけでも,ザックリどのような文献があるかを総覧することができ,その後のリーガルリサーチの役に立つことがあるでしょう。つまり,記憶の片隅であっても「このテーマに関する論文があった」と残っていれば,必要になった場合にそれを手掛かりに論文を探すことができます。 日頃から記事を読んで雑誌に親しむという意味では,若手弁護士・若手法務パーソンが実務でよく抱くような疑問や,知りたい最新事情について情報を提供する実務雑誌の実務記事・実務論文は,良い「とっかかり」になり得るでしょう。 実務雑誌は多くの場合,その記載内容を読みやすく分かりやすい方向に寄せています。そのため,実務雑誌の実務記事や実務論文だけを基に「合理的注意を尽くした」としてリーガルリサーチを終わらせることができる場合は多くありません。しかし,一定割合の実務記事等は,より深く勉強したい場合に参照すべき文献についてきちんと脚注や参考文献等で指摘しています。そこで,そのような分かりやすい実務記事等で基礎を固めた上で,リーガルリサーチが必要になった段階で,深掘りのための別の文献にあたる(その際には実務記事等が挙げている文献を参照する)という方法は有用です。 多くの事務所や企業の法務部門ではビジネス法務,NBL,会社法A2Z等の実務雑誌をいくつか購読しているでしょう。そこで,新しいColumn1
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