離 婚(通則法27条ただし書)。〔伊藤〕要であり,それだけで足ります。⑵ A国での婚姻が日本でも有効である場合 この場合,離婚の準拠法については通則27条・25条の定めに従うことになります。本件では,夫婦の一方が日本に在住する日本人ですので,日本に常居所があると認められる限り,日本法による離婚を検討することになります したがって,まず,夫婦間で離婚届記載事項について合意可能であるならば,協議離婚の方法によることができます。ただし,通常の戸籍実務としては,離婚の前提となる婚姻が戸籍に記載されていないと役所は離婚届を受け付けてくれませんので,まずは婚姻の報告的届出を行い,直後又は同時に離婚届を提出するという段取りが必要になります。 他方,夫婦双方の合意が調わず協議離婚の方法によることができない場合には,調停離婚・裁判離婚の方法によることになります。その場合,調停手続・裁判手続終了後に,調停調書又は判決書を10日以内に役所に届け出ることが必要になります(戸77条・63条)。この場合,調停手続・裁判手続によって離婚は成立しており,届出は単に離婚を報告するだけですので,離婚の創設的届出である協議離婚届の提出とは法的性格が異なります。この場合にも先行して婚姻の報告的届出を行うことが必要であるかについては理論上検討の余地があり得るようにも思われますが,戸籍実務上は,婚姻の報告的届出も求められます(Mail:0049参照)。120
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