実務 私立学校法
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2:学校法人の機関の概要学校法人の最高意思決定機関は、理事会である。校長の選任・解任、予算及び事業計画の作成又は変更、寄附行為の変更、合併、解散等の重要な意思決定は、いずれも理事会の決議がなければ行うことができない。また、理事の職務執行を監督するのも、理事会の役割である(新法36条2項)。71う点で機関と類似の役割を持つが、私学法上の機関ではない。また、設置校(2)に置かれる教授議は、学教法又は学教則に根拠を持つ会議体であり、これらも私学法上の機関ではない。理事長は、学校法人の業務執行機関であり、理事会の決議によって理事のうちから選定される(新法37条1項)。対外的には学校法人を代表して法律行為や所轄庁への認可申請等を行い、対内的には学校法人の業務を総理することとされている(新法37条6項)。理事長以外の業務執行機関として、寄附行為の定めるところにより、代表業務執行理事又は業務執行理事を置くこともできる(新法37条3項、4項)。1人の理事が、理事長、代表業務執行理事、業務執行理事を兼職することはできない。理事は、理事会の一員として学校法人の業務決定と理事の業務執行の監督に参加するほか(新法36条1項、2項1号、2号)、理事長、代表業務執行理事又は業務執行理事に選定されたときは、学校法人の業務を執行する(新法37条5項)。理事の選任・解任は理事選任機関が行うが、理事選任機関の構成、運営等の詳細は各学校法人の寄附行為に委ねられている(新法29条)。監事の選任・解任は、評議員会の決議によって行われる(新法45条1項)。監事の主な役割は、学校法人の業務全般を監査し、理事会、評議員会及び理事選任機関に監査報告を行うことである(新法52条)。監査の結果、不正の行為等があれば、理事会、評議員会及び所轄庁に報告しなければならず(新法56条2項)、場合によっては、理事の行為の差止請求をなし得ることもあ(1)学教法93条参照。(2)学教則48条参照。(1)会、職員会

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