18_経保
15/24

2 経営者保証の弊害 一方、経営者保証には次の弊害があると指摘されています(中小企業における個人保証等の在り方研究会報告書3項)。➢金融機関による健全な融資慣行の構築(借り手の事業内容や経営状況等信用補完・債権保全資金調達の円滑化【図1】 経営者保証の意義+経営者の規律付け31 経営者保証① 安易な個人保証契約の締結への依存は、借り手、貸し手の双方において、本来期待される以下のような機能を発揮していく意欲を阻害しているおそれがある。➢中小企業による健全な事業経営(財務状況の正確な把握、適時適切な情② 融資の際には個人保証を求めることが慣行化するとともに、契約時において貸し手側による、中小企業に対する説明不足、保証人の資産に比して過大な債務負担の要求などの対応と相俟って、貸し手と借り手の間における信頼関係構築の意欲を阻害しているおそれがある。③ こうした貸し手側の対応に加えて、個人保証の履行時等における 課題が、中小企業の負担感を増し、その各ライフステージ(創業、成長・発展、早期の再生着手、円滑な事業承継等)における取組意欲を阻害しているおそれがある。 具体的には、私的整理局面において経営責任の明確化のため、原則として経営者の交代が求められることや、履行基準(残存資産の範囲)が不明確であること、保証履行後も保証債務が残存すること、保証債務に関する複数債権者間の調整や法人債務との一体処理のプロセスが未整備であることなどが保証債務の履行に関する課題として挙げられる。報開示等による透明性の確保)に対する目利きを重視した融資)

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る