iはしがき 本書は、経営者保証ガイドラインを知りたい方、活用したい方から「最初に何を読んだらいいですか」と聞かれたときにお薦めできる本、ガイドラインのすべて(融資、事業承継、債務整理)についてコンパクトに分かりやすくまとまった本を目指しました。 弁護士である筆者は、主に債務整理の場面でガイドラインを活用していますが、それに加えて、縁あって全国各地の弁護士会等でガイドラインの研修講師を務めています。共著者である佐々木氏は、銀行員の立場からガイドラインを活用されるとともに、金融機関への普及に尽力されています。 ガイドラインは、経営者だけでなく、弁護士、金融機関、支援機関、公認会計士、税理士など、中小企業に関わるすべての方が知っておかなければいけない重要な制度です。しかし、適用開始から10年以上が経過しているにもかかわらず、筆者の実感では、まだまだ認知度は十分とは言えません。また、ガイドラインの存在を知っていたとしても、ガイドラインを読むだけでは実際の案件で活用するのは難しいでしょう。 そこで、ガイドラインを多くの方に知ってほしい、活用してほしいという思いから、ガイドラインのすべてについて、基本的な内容と実務的な取扱いをできるだけコンパクトに、図を活用して分かりやすく整理しました。 本書の構成を説明します。 本書の本文は筆者が執筆しています。ガイドラインに忠実なオーソドックスな記述を心掛けていますが、実務的な取扱いについては、各場面で様々な工夫があり得ることから、筆者の私見も交えるなど望ましい取扱いについても言及しています。 各テーマ末尾の「銀行員から見たGLのポイント」は、佐々木氏が執筆しています。銀行員の立場から見たガイドラインの考え方や銀行実務での取扱いについて解説してあり、金融機関だけではなく、弁護士や経営者にとっても多くの気づきがあるものと思います。 このように、本書は弁護士と銀行員の共同執筆という点に特徴があります。はしがき
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