児保
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合23 一時保護の条件と目的第1章 制度解説編一時保護を行わせることができると規定し、一時保護の判断は児童相談所長と知事にあるが、一時保護を行う権限は児童相談所長にある。 なお、行政機関である児童相談所長が保護者から子どもを分離することができる強力な権限を持つことについては、第3章以下で詳しく論じる課題である。 児童福祉法33条1項及び2項で一時保護の要件を、①児童虐待のおそれがあるとき、②少年法の規定により送致を受けたとき、③その他の内閣府令で定める場合としている。そのうえで一時保護の目的を、①児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、②児童の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するためという、「緊急保護」と「調査保護」の2つに定めている。 なお「内閣府令で定める」の内容は、児童福祉法施行規則35条の3にある7つの場合としている。その概要は以下のとおりである。① 児童虐待を受けた場合若しくは児童虐待を受けるおそれがある場② 警察官からの通告を受けた場合③ 児童の行動が自己若しくは他人の生命、心身若しくは財産に危害を生じさせた場合若しくはそのおそれがある場合④ 児童が自らの保護を求め、又はこれに相当する意見若しくは意向を表明した場合⑤ 児童の保護者が死亡、行方不明、拘禁、疾病による病院への入院等の状態となったこと、児童が家出人であることその他の事由による場合⑥ 児童の保護者がその監護する児童の保護を求め、又はこれに相当する意見を表明した場合⑦ 上記①〜⑥に掲げるもののほか、一時保護を行わなければ児童の生命又は心身に重大な危害が生じるおそれがある場合

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