児保
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8 一時保護中の権利擁護5第1節 一時保護の制度の概要と機能〔著者注:約5畳〕、9号で居室、浴室及び便所は性的多様性に配慮する規定されていた。そして児童福祉施設最低基準41条2号で「児童の居室の一室の定員は、これを4人以下とし、その面積は、1人につき4.95平方メートル〔著者注:約3.2畳〕以上」とし、同42条6項で直接処遇に当たる職員の数を小学生以上では5.5人に1人以上としている。 これらの基準では、一時保護施設において安全に子どもの権利を擁護した運営ができないため、各自治体で独自の取組を行っている。例えば一時保護施設の定員の半分程度しか保護できなかったり、複数定員の居室を1人で使ったりしている。しかし後述本章第2節で紹介されているように、大都市圏では定員を超えての一時保護も行われている。このように各地の一時保護施設の状況に大きな差が生じている。 そして2022(令和4)年児童福祉法改正で、同法12条の4の2項で「都道府県は、一時保護施設の設備及び運営について、条例で基準を定めなければならない。この場合において、その基準は、児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な生活水準を確保するものでなければならない」とし、同条3項で「内閣府令で定める基準」に従うように求めている。そして2024(令和6)年4月に新基準が発出された。 その内容は、9条以下の子どもの権利擁護などのソフト面と同時に、15条の設備の基準として1号で利用定員がおおむね6人以下のユニット型にすること、5号で小学生以上は個室として面積は8平方メートルことなどに努めることとされた。また職員配置については18条2項で満3歳以上は子ども3人に対して職員1人と大幅に改善された。 ただし附則2条で既存施設については15条が適用されず、従来の基準とされた。 これらの点については第2章第3節でも検討しているので参考にされたい。 2018(平成30)年に厚生労働省が発出した一時保護ガイドラインでは、

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