児保
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23*大阪府子ども家庭センター作成(執筆者修正)FOCUS 1 児童相談所におけるインテーク・介入・支援の機能分化の効果と課題第Ⅰ期(平成12年〜15年):相談支援から虐待対応への転換第Ⅱ期(平成16年〜25年):介入保護と法的対応の蓄積第Ⅲ期(平成26年〜):初期対応から家庭養育への移行まで切れ目のない支援の構築【資料2】大阪府の子ども虐待対応等に係る児童相談所の組織体制の変遷ば、保護者との関係性を共感に基づき維持することよりも、対決・介入的なアプローチを選ぶことをためらってはならず、職員は常にこのジレンマの中でもがき苦しんでいた時期が、【資料2】の第Ⅰ期である。忘れてはならないのは、最終的には親子関係修復の目的を達成するべきであり、それが法の定める虐待対応の基本である。 この頃から、徐々に児童相談所は虐待対応件数が急増するに伴い、虐待を中心とした児童相談の専門機関であるとのイメージが社会的に広く定着していくことになったと考える。結果として、第Ⅱ期に、市町村に一義的な児童相談機能を持たせることになったのは必然と言える。⑵ 度重なる法令の改正 平成16年の児童虐待防止法及び児童福祉法改正により、通告義務の範囲の拡大(疑いも含む)、市町村を通告先に追加、要保護児童対策地域協議会の法定化等が行われ、平成19年の児童虐待防止法及び児童福祉法改正では、児童相談所による安全確認等のための立入調査等の強化等、平成23年には親権停止等の請求権を児童相談所長に付与するなど、児童虐待防止対策に関して目相談支援的アプローチ中心から介入指導的アプローチへの転換が必要 地域でのネットワークの構築、保健・福祉・教育の連携が重要●虐待対応課の創設  ●児童虐待等危機介入援助チームを 設置(弁護士・医師との協働)●児童虐待防止ネ ットワー ク作りの取組(平成6年〜)●保健師の配置    ●配偶者暴力相談支援セ ン タ ー機能を付加組織的判断による「疑わしきは介入・保護」の徹底 弁護士等への相談を進め、家裁への積極的な申立て(法的対応の蓄積) 市町村のアセスメント・相談対応力強化を支援 虐待を受けた子どもに対する医学的・心理教育的治療機能の強化(保護者支援プログラムの導入) 児童相談所職員の職場定着・専門性確保を考慮した組織体制の構築●児童虐待危機介入援助チ ーム(弁護士・医師)の充実●市町村への児童相談所職員派遣、弁護士等市町村支援チ ー ム の派遣  ●警察官OBの配置●中央センターに診療所「こころケア」を設置、被虐待児童への集中的な治療・心理教育体制を構築●児童相談所職員のワークライフバランス に対応した柔軟な組織体制の検討24時間365日、迅速かつ的確な初期アセスメントと対応 市町村要保護児童対策地域協議会を核とした地域での包括的支援の仕組み作り 社会的養護にある児童への支援、家庭移行支援の強化/情報連携の在り方の検討 ●すべて の通告・相談を一括して受理し、初期ア セ ス メ ン トや介入を含めた対応を行う  「相談対応課」を設置(継続的にインテーク担当を配置強化) ●夜間休日当直チ ーム(常勤職員2名輪番制)設置 ※SV・判断対応職員も輪番で1名スタンバ イ ●平成30年度、全セ ン タ ー に市町村支援コーディネーターを配置(加えて、警察官OBを増配置) ●社会的養護にあ る児童を支援する「育成支援課」を設置(家庭移行推進チームを配置強化) ●児童相談所の専門性確保(児童相談経験のある退職者の再任用、ベテランOBの非常勤配置等) ●市町村、警察、検察等との情報連携の強化

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