児保
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2 要保護性の視点の重要性(虐待か虐待でないかが主たる視点33第1節 一時保護の実施・解除のアセスメント* こども家庭庁(こども家庭審議会)「児童虐待防止対策部会(第5回):資料6 ─ 1 一時保護時の司法審査について」4頁の状態となつたこと、児童が家出人であることその他の事由により、次のいずれかに該当する場合イ 児童に保護者若しくは住居がない又はそのおそれがある場合ロ 児童の住居が不明である又は不明となるおそれがある場合六 児童の保護者がその監護する児童の保護を求め、又はこれに相当する意見を表明した場合七 前各号に掲げるもののほか、一時保護を行わなければ児童の生命又は心身に重大な危害が生じるおそれがある場合ではない) 虐待事案における一時保護に注目が集まっているが、そもそも日本においては、当事者からの相談などに基づき、一時的な保護を加えることができる相談援助サービスとしての一時保護の延長として、家庭からの分離保護の仕組みが制度化されてきたところに特徴がある。そのため、相談援助サービスとしての一時保護と、法的権限における児童相談所長による責任・義務としての「子どもの安全確保のための一時保護」の区別があいまいな現状が継続してきたと考える。 前者・後者ともその手続、流れは当然、当事者による同意・承諾と児童相談所の判断の共同作業を前提としているが、後者は児童相談所の義務・責任による判断が、当事者の意向よりも明確に優先することに留意することは意識化しておく必要がある。しかしながらニーズに基づく一時保護の場合であっても、アセスメントの結果、子どもの安全が脅かされているといった状況が把握された場合にあっては、トラックを変更する事例があることも留意する必要がある。 よって、一時保護実施の際のアセスメントの流れも当然に、本来区別されるべきである。 今般、改正児童福祉法が施行されたところであるが、虐待事案以外においても、迷子などで親権者が不明な場合、保護者が特定できない場合

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