情プラ
36/80

第 1 章 総 論事例16運営者等の特定電気通信役務提供者が削除等の送信防止措置を講じた場合の民事上の損害賠償責任の制限、被害者のプロバイダ等に対する発信者情報開示請求権、発信者情報開示命令事件に関する裁判手続及び削除等の実施手続の迅速化と実施状況の透明化を図るための大規模事業者の義務を定めた法律です。 同法の適用範囲や機能を正確に理解するためには、同法に関連するインターネットの世界のイメージを持つことと同法が適用対象としている権利侵害情報やそれ以外の情報についてどのような対応が行われているのかを理解することが重要です。 そこで、以下では事例を利用してインターネットの世界を概観した後、インターネット上に流通する情報の類型・特質、インターネット上の違法・有害情報への対応状況について見ていきます。 まずは、①ウェブサイトを開設する場面、②第三者がウェブサイトに情報を投稿する場面、③ウェブサイトに名誉毀損情報を投稿された被害者が、検索エンジンを利用して投稿された情報を発見する場面についての事例を用いて、インターネットの世界を見ていきます。 X社は、誰でも投稿可能な電子掲示板を備えたウェブサイトを運営するため、ホスティングプロバイダであるY社から、同社が所有するウェブサーバの一部について容量を借り受けた。その後、X社は、ドメインを取得して、ウェブサイトを開設した。 ここでは、X社がインターネット上にウェブサイトを開設するためには、どのような手続が必要となるのかについて見ていきます。 まず、インターネット上にウェブサイトを開設するためには、ウェブサイトに関する情報の「保管場所」が必要になります。この「保管場所」を「ウェブサーバ」といいます。X社自身がウェブサーバを所有している場合には、自社のウェブサーバを情報の「保管場所」として利用することができ11  インターネットの世界

元のページ  ../index.html#36

このブックを見る