はしがきi 本書は、令和6年改正によりプロバイダ責任制限法から名称変更された情報流通プラットフォーム対処法の各条文の解釈と同法を実際に利用する場面について実務家向けにわかりやすく解説した書籍です。 情報流通プラットフォーム対処法は、プロバイダ責任制限法と呼ばれていた時代から存在していた民事法、手続法の要素だけではなく、令和6年改正により、大規模プラットフォーム事業者等に対して公法上の義務を課すこととなり、公法的要素が追加されました。また、同法は、インターネット上に権利侵害情報が投稿されてから閲覧されるまでの通信過程や権利侵害情報に対するプラットフォーム事業者等の対応に関する事項を定めていますが、通信の過程や事業者の実際の対応については外部からはイメージすることが難しいため、それらに関する事項を定めた条文を一読しただけではどのような場面を想定した規定なのか、なぜそのような規定が置かれたのかを理解することには困難が伴います。 本書では、情報流通プラットフォーム対処法が制定・改正された背景と条文の趣旨をできるだけ簡潔・丁寧に説明した上で、それぞれの規定が用いられる場面がイメージしやすいように図表を多く掲載しました。図表を見ていただきながら条文や手続に関する解説を読むことによって情報流通プラットフォーム対処法の全体像をつかめると思います。 また、令和7年4月1日に施行された令和6年改正法、同法に関連する改正省令(施行規則)の内容および令和6年改正法の施行に合わせて制定されたガイドラインの内容を盛り込みました。 本書が、令和6年改正を含む情報流通プラットフォーム対処法の全体像をご理解いただく一助となれば、筆者としては喜ばしい限りです。 なお、本書の内容のうち意見にわたる部分は、著者が所属するまたは所属は し が き
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