情プラ
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第1 総 説第3部 実務解説第1 総 説267 名誉、プライバシー等を侵害する情報がインターネット上に流通した場合、その情報はアクセス制限がされていない限り、世界中から誰でも閲覧することが可能です。そして、一旦、インターネット上の流通に置かれた情報は容易にコピーされ、検索エンジンやSNSを通じる等して瞬く間に拡散していく可能性があります。 インターネット上に流通した権利侵害情報により自らの権利が侵害されている被害者は、その情報が拡散し、権利侵害が増大することを防ぐため、当該情報が速やかに削除されるよう適切な対応をとる必要があります。加えて、被害者は、必要に応じて権利侵害情報を流通に置いた発信者に対して責任追及をすることとなります。 これに対し、自らが管理しているウェブサイト、SNS等に権利侵害情報を投稿されたプロバイダ等は、当該情報を削除せずに放置した場合、被害者から民事責任を追及される可能性があります。また、プロバイダ等のレピュテーションの低下により、不測の損害を被るおそれもあります。したがって、プロバイダ等の立場においても権利侵害情報を放置することは好ましくありません。 第3部においては、このような権利侵害情報に対する「被害者の対応」と「プロバイダ等の対応」について見ていくこととします。 まずは、権利侵害情報に関する被害者とプロバイダ等の対応場面を概観した後(第1章)、被害者の実務対応(第2章)、プロバイダ等の実務対応(第3章)について順次見ていきます。第 1 章 総  論

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