情プラ
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第 2 章 被害者の実務対応 なお、令和6年改正により、大規模特定電気通信役務提供者に関する規律が追加され(第5章)、対象となるプロバイダ等は、削除基準を策定・公表した上で、ユーザーにわかりやすいウェブフォーム等といった削除申出の申出受付窓口を設置し、当該窓口を通じて受け付けた削除申出に対しては、調査を行って、当該調査結果に基づいて原則として7日以内に申出者に対して講じた措置等を通知する公法上の義務が課せられることになりました。そのため、削除したい情報が大規模特定電気通信役務提供者が提供する大規模特定電気通信役務の場合には、当該役務に関するウェブフォームを通じてまずは速やかに削除申出を行うことも有益と考えられます。⑵ ガイドラインを利用した侵害情報送信防止措置依頼 情報流通プラットフォーム対処法(旧:プロバイダ責任制限法)は、平成13年に成立しましたが、同法の成立を契機として、プロバイダ等の団体、著作権関連の団体その他の関係者を構成員として、特定電気通信による情報の流通による権利侵害に適切・迅速に対応できるようにするためのガイドラインの検討等を行う「情報流通プラットフォーム対処法ガイドライン等検討協議会」(以下「ガイドライン等検討協議会」といいます。)が設置されました。そして、ガイドライン等検討協議会は、現在までに、情報流通プラットフォーム対処法の要件該当性の判断に資するガイドライン(以下「情報流通プラットフォーム対処法関係ガイドライン」といいます。)を策定しており、ガイドラインにはプロバイダ等に対して侵害情報送信防止措置依頼を行う際の書式も掲載されています(⇒287頁【書式1】)。 策定されているガイドラインは、次の4つです。① 名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン② 著作権関係ガイドライン③ 商標権関係ガイドライン④ 発信者情報開示関係ガイドライン 大手のプロバイダは、上記のガイドラインを前提とした運用を行っているものと考えられます。そこで、被害者としては、ガイドラインの書式を利用して、プロバイダ等に対して、送信防止措置依頼を行うことが裁判外の手続として有効な方法です。286

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