AI大全
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452:開発・学習段階における著作物利用行為と著作権侵害この場合、当該選択行為においては単純な(誰でも思いつく)キーワード検索を行ったうえでのランダム選択しか行われていませんから、「情報の選択」に創作性があるとはいえず、当該手法で生成された学習用データセットは DB 著作物には該当しないでしょう。では、次にたとえば「アメリカの総人口における人種の割合と同じ割合で、各人種に属する人物の顔写真を収集して構成する」という選択行為をなした場合はどうでしょうか。この選択は、先ほどの単純なキーワード検索の例よりも創作性はあるように思えますが、「データ全体における個々のデータの割合と同じ割合で構成されたデータセット」という基準で情報を選択した場合は、通常なされるべき選択に該当し、この場合でも「情報の選択」に創作性はないように思われます。ⅱ 「考え方」の内容先述のように、30 条の4柱書但書に該当する(30 条の4が適用されない)例として、同条制定当時から、「大量の情報を容易に情報解析に活用できる形で整理したデータベースの著作物(情報解析用 DB 著作物)が販売されている場合に、当該データベースを情報解析目的で複製等する行為」が示され、「考え方」についてもその点について詳細に述べています。「考え方」24 頁〜 27 頁で示されている、「情報解析用 DB 著作物が販売されている場合に、当該データベースを情報解析目的で複製等する行為」の具体例は以下の3つです。▼ 具体例1情報解析用 DB 著作物が DVD 等の記録媒体に記録して提供されている場合に、当該記録媒体から同 DB 著作物全体を情報解析目的で複製する行為(「考え方」24 頁)▼ 具体例2インターネット上のウェブサイトで、ユーザの閲覧に供するため記事等が提供されているのに加え、情報解析用 DB 著作物が API を通じて有償で提供されている場合において、当該 API を有償で利用することなく、当該ウェブサイトに閲覧用に掲載された記事等のデータから、当該データベースの著作物の創作的表

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