AI大全
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RAG についても、本章4⑴で述べたように、自社領域で管理・運用する AIモデルを利用する場合と、外部事業者が提供する AI サービス(SaaS)を利用する場合があります。以下では、外部事業者が提供する AI サービス(SaaS)として提供されているRAG の利用と個情法に関する3つの設例を検討します。ア 設例1(ウェブページや書籍から収集したデータをベクトル化)ウェブページや書籍を既存情報としてベクトル化してベクトル DB を作成したが、それらの既存情報のなかには個人情報(特定個人の氏名等を含む情報)が一部含まれていた。個人情報を含んだ既存情報をベクトル DB として蓄積して、外部事業者が提供する RAG サービス(SaaS)に用いることについて、個情法上の問題はないか。設例1における RAG サービスへの既存情報の入力は、個人データの第三者提供に当たるでしょうか。第4章 生成AI開発・提供・利用と個人情報、プライバシー、名誉毀損344図 23ベクトル DBベクトル既存情報ベクトル既存情報質問文ベクトル質問文(プロンプト)③質問文の ベクトル化ベクトル化API②入力⑨提供*ベクトル DB 内には、ベクトルと、当該ベクトルの元テキスト(既存情報)がペアになって保存されている⑤マッチングした既存情報ベクトルに対応する既存情報既存情報⑥質問文(プロンプト)と⑤の既存情報を LLM に入力LLM回答⑦推論 ⑧生成①既存情報をベクトル化し、既存情報と共にベクトル DB 内に蓄積既存情報ベクトル化API既存情報④ベクトル DB 内を検索し、既存情報ベクトルと質問文ベクトルをマッチングユーザ質問文(プロンプト)回答

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