第9章 AIシステム開発と知財戦略474表1AI システム開発と知財戦略を考える場合、対象物を「アルゴリズム・ノウハウ」と「プログラムのコード」「プロンプト」「学習済みパラメータ」に分けて考える必要があります。これはそれぞれ具体的な保護方法が異なるためです。大まかにいうと「アルゴリズム・ノウハウ」については「秘匿化」あるいは「権利化(特許化)」のいずれかを選択する必要があります。一方「プロンプト」と「プログラムのコード」については「秘匿化」+「著作権による保護」の両方で、「学習済みパラメータ」については「秘匿化」で保護を図ることになります。対象物精度が高い処理ができるネットワーク構造、学習用データの前処理に関するノウハウ、学習用プログラムのアルゴリズムアルゴリズム、ノウハウデータ前処理モジュールのコード、学習用プログラムのコード、学習済みモデル(推論プログラムと学習済みパラメータが一 体 と な っ た プ ロ グ ラム)のコードプログラムのコード学習済みパラメータプロンプト具体例秘匿化(営業秘密) 各フェーズ(情報交換、コンサル、PoC、本開発、利用等)ごとに以下の点を交渉・合意権利化(特許化)秘匿化(営業秘密)+著作権秘匿化(営業秘密)秘匿化(営業秘密)+著作権知財戦略契約戦略① 業務内容② 成果物・納品物③ 対象物の知的財産権の帰属(どちらのものか)④ 対象物の利用条件(双方が成果物をどのように利用できるのか)1 : 対象ごとの知財戦略
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