3 保険会社への反論例2 保険会社の主張例 保険会社の主張例としては以下のような主張が考えられます。2【保険会社の主張例】 医師の指示がないので,整骨院の施術費用は認められません。【反論例1】 交通事故と整骨院の施術費用の因果関係を検討するにあたって,医師の指示はあくまで一要素に過ぎません。医師の指示がない場合でも,施術が症状に有効かつ相当な場合には,因果関係は肯定されます。 実務上,『赤い本2018(下)』の吉岡透裁判官の講演録にて説明されている①施術の必要性,②施術の有効性,③施術内容の合理性,④施術期間の相当性,⑤施術費の相当性の観点から,因果関係が検討されるべきと考えますので,これらの観点を踏まえて以下主張します(『赤い本2018(下)』27頁以下)。 当該事件で当てはまる以下の事情を主張します。① 施術の必要性・事故の規模が相当程度大きいこと・交通事故により負傷していること・医師に整骨院の施術を相談していること・医師から整骨院での施術を止められていないこと・医師の許可があること(黙示的許可も含む。)・医師が整骨院の施術の経過を把握していること② 施術の有効性・施術により症状の改善があること③ 施術内容の合理性・医師の診断と整合的な施術が行われていること(医師が診断した部位の施術をしていること)④ 施術期間の相当性第1節 治療関係費
元のページ ../index.html#22