4 自賠責保険への請求 保険会社が整骨院の費用を認めない場合には,自賠責保険に被害者請求の4第1節 治療関係費3 ④施術期間の相当性について 施術期間は,令和7年4月1日から令和7年8月31日の5か月間であり,不相当に長期とはいえません。また,同期間においては,前述したとおり,原告の疼痛は軽減し回復に向かっていたことから,施術期間としても相当であるといえます。4 ⑤施術費の相当性について 施術費用については,1回につき3000円程度であり,実施された施術内容と比較して高額であるということはありません。また,通院頻度に関しても週2〜3回程度の通院であり,過剰な通院とはいえないため,施術費用の相当性が認められます。5 小 括 以上を踏まえれば,整骨院の施術費用は必要かつ相当なものであり,全額が本件事故と因果関係があるものとして認められるべきです。方法で請求することが考えられます。 相手方が加入している自賠責保険は交通事故証明書で確認することができます。相手が加入している自賠責保険に依頼すれば被害者請求の書類一式を送付してくれますので,必要書類を作成して自賠責保険に請求します。 ただし,自賠責保険も必ず施術費用の請求を認めてくれるわけではありません。そのため,自賠責保険に請求すれば大丈夫と安易に説明するのは避け,最悪の場合には自己負担になることも依頼人に説明しておくべきでしょう。 なお,自賠責保険の傷害部分(治療費,休業損害,慰謝料など)の限度額は120万円です。したがって,すでに120万円の枠を使い切っている場合には,自賠責保険から施術費用を回収することはできませんので,注意が必要です。【参考裁判例】□整骨院の施術費用を全額認めた(東京地判平19・10・31交民51巻6号1408頁) 整骨院と整形外科の治療はいずれも保存的治療として同質性があること,整骨院での治療の効果が認められること,治療期間は3か月弱であること,
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