1 過失割合に関する受任時の注意点 被害者側の弁護士として,過失割合に関する受任時などの初期段階では以第10章過失相殺第10章 過失相殺70 過失割合70 過失割合209Q70 過失割合解 説 過失割合について有利に交渉を進めるために,どのような対応をすべきですか。 適切な証拠を早急に確保した上で,別冊判タ38号やその他の判例などを基に主張や立証を組み立てることが重要です。下のような点に注意すべきだと考えます。⑴ 過失割合が発生する可能性を検討して依頼者に伝える 保険会社からその時点で過失割合の主張がなされていなくても,客観的な事故状況を前提とすると,依頼者側にも一定の過失があると評価されるケースがあります。特に,95対5や90対10などの被害者側の過失が低い場合は,事故当初に保険会社側から被害者の方にも一定程度の過失が生じる可能性があることを伝えていないこともあり,症状固定後の損害請求の段階で初めて主張してくることもあり得ます。そうすると,依頼者にとっては不意打ちになってしまうので,初期段階から弁護士が関わっている場合は,過失割合が生じる可能性は早めにお伝えしておくのが理想です。⑵ 客観的な証拠の確認・確保に努める 下記でも解説しますが,過失割合の交渉にあたってはドライブレコーダーや防犯カメラ映像などの客観的な証拠が重要です。これらの証拠がある場合A
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