を定め、家事事件手続法 65 条、258 条 1 項も、未成年者である子が、その結果により影響を受ける家事審判手続において、子の意思を把握するように努め、審判をするに当たり、子の年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならないとされています。ここで、子の能力に関しては、個人差があるものの、おおむね 10 歳前後以上であれば意思を表明する能力に問題がなく、子の意思が尊重される傾向にあります(東京家審平成 26 年 2 月 12 日判タ 1412 号 392 頁、大阪高決令和元年 6 月 21 日判タ 1478号 94 頁等)。 加えて、本件のように、子が 15 歳以上の場合は、親権者の指定又は変更の審判をする場合には、子の陳述を聴かなければならないとされており(家事法 169 条 2 項、人訴法 32 条 4 項)、より一層子どもの意思が反映される傾向にあります。 そのため、離婚する際の子の親権者の指定の際には、一般的には、子が15 歳以上となると、基本的に、子の意向を尊重し、子が希望する方を親権者として指定することが多いと思われます。そのため、子が希望するのであれば、親権者の変更が認められる可能性は十分あります。 もっとも、離婚後の親権者変更の場合、離婚後の監護の積み重ねもあるため、子の意向だけで直ちに決まるとも限りません。子が親権者の変更を求める理由や、子の親権者の変更の希望の強さなども考慮されると思われます。それらの事情につき、家庭裁判所の調査官による調査を踏まえて、最終的に親権者の変更の可否を裁判官が決定することになります。108 第 4 章 離婚後のトラブル
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