A そのため、当事者間で財産分野又は株式の譲渡の合意をするだけでなく、定款が定める株式譲渡のための手続を行う必要があります。 離婚に際して元配偶者単独所有の不動産に下の子どもが高校を卒業するまでは住んでもよいという合意をしました。しかし、卒業までに夫が破産をしてしまいました。夫とは住み続けてよいと約束していたのですが、そのまま住み続けることはできるのでしょうか。 元配偶者との合意は破産管財人には主張できないので、そのまま無償で住み続けることは困難です。 破産をすると破産者の財産の管理権は破産管財人に移ります(破産法 78条 1 項)。 そのため元配偶者が所有している不動産の管理権も破産管財人に移ります。 相談者は無償で住んでおり家賃を支払っていないので、相談者は元配偶者と使用貸借契約(民法 593 条)を締結していることになります。 使用貸借契約は第三者には対抗力がなく、破産管財人には占有権原としては主張ができません。 その結果、相談者が元配偶者と無償で住んでいてよいという合意をしていたとしても、元配偶者の破産後相談者に無償で住み続ける権利はないのです。 破産管財人は、破産財団に属する財産のうち換価できる財産は、原則とQ78 元配偶者の破産 159● ● ● ● ●1 破産後の財産管理権2 破産管財人による不動産の処分78 元配偶者の破産Q
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