組織弁
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コムラ  は、経験を重ねるとともに自然に解消される場合が多いからです。さて、既に組織内弁護士として働いている方は、そのまま第1章の漫画から読み進めていただいてかまいません。次のあなたのステップ本書のタイトルでは「組織内弁護士」という言葉を使用しています。とはいえ、弁護士資格をお持ちでない実務家の皆さまにも役立てていただける内容であることを、まず申し上げたいと思います。具体的な読者対象をタイトルで明示するのは、読者の皆さまに対し「誰に向かって書いているか」を率直に示し、責任ある助言を届けたいという思いからです。私が日々ご一緒する企業法務の現場には、資格の有無に関係なく高い専門性を発揮される実務家が大勢いらっしゃいます。30年近くに及び日本の予防法務の実務を築き上げてこられた先達らの姿勢に学び、励まされながら、組織内弁護士も組織の一員として、経営陣や依頼部門が十分な情報を基に意思決定できる環境づくりに一緒に取り組んできました。組織内弁護士という呼称を用いるのは、執筆上の便宜にすぎません。本書が目指すのは、どの立場の方とも手を携え、日本の法務機能をより良くしていくことです。拙著『攻めの法務 成長を叶える そして、私自身、視野の狭さを痛感する場面が少なくありません。弁護士会、日本組織内弁護士協会(JILA)、経営法友会で活躍される皆さまのご意見はもちろん、次世代を担う実務家の声にも学びながら、今後も本書の内容を磨き続ける所存です。読者の皆さまと共に考え、共に成長できれば、これほどありがたいことはありません。リーガルリスクマネジメントの教科書』(日本加除出版、2023年)と志は同じです。本書が弁護士資格者を主な読者像に据えた背景viii

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