す。例えば、青色LED職務発明相当対価請求事件で原告側弁護団を務めた荒井裕樹弁護士は、当時多忙だった升永英俊弁護士が十分に手が回らない特定の法領域で、充実した知識を蓄え、周囲の信頼を獲得しました(荒租税法の深耕によって多くの依頼者から支持を得ています(内海英博『日米資格4冠王の超スピード学習法』(日企業内でも、新法対応のような未開拓の法領域に自発的に手を挙げた法務部員が、その領域の実務を牽引することになる例は少なくありません。専門性を掘り下げる努力は、結果として周囲から寄せられる相談を増やし、法務機能全体の質を底上げする契機となるのです。要するに「この法律の分野では誰にも負けない」と胸を張れるほど法的専門性を磨き続けることが重要です。①弁護士法上の専門性維持、②キャリア形成や転職市場での差別化、③組織内での信頼構築という3つの観点から、法的専門性はアンラーニングの対象ではなく、むしろ不断に高めるべき核心的資産だといえるでしょう。新人弁護士・新人法務部員の心得」ビジネス法務2023年4月号14~15頁パートナー弁護士になるためには、クライアントの信頼を得て、その数を増やし、事務所の経営に寄与することが必要である。まずは、この分野では誰にも負けない専門分野の弁護士となり、執筆活動や講演などにも積極的に対応し、世に知られる弁護士になることである。井裕樹『プロの論理力!』(祥伝社、2005年))。同様に、タックスロイヤーの先駆者である内海英博弁護士は、本実業出版社、2002年))。―堀龍兒「新人教育はどうあるべきか 106
元のページ ../index.html#52