弁護士のための財産分与実務のポイント
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5 別居と同居を繰り返している場合6 平日別居第8章 財産分与対象財産確定の基準日 95⑴ 原則夫婦が同居と別居を繰り返している場合、別居の期間、目的、別居中の夫婦間の交流状況等を総合的に判断し、実質的に夫婦の経済的協力関係が失われていたか否かを判断する(森・森元 27)。自宅を離れた後、親子交流や荷物の引き取り等のために一時的に帰宅したとしても、原則として最初に別居を開始した日が基準日である。また、婚姻関係の悪化に伴い次第に自宅に帰らなくなった場合は、最終的に自宅に帰らなくなった日を基準日とすることが多い(片岡Ⅱ 65)。別居していても双方が自宅を行き来していたり夫婦間で連絡を取り合っていた場合、別居していても家計が同一だった場合などは、夫婦の経済的協力関係は失われているとはいえないから、最終的な別居日が基準日となることが多い。⑵ 別居の分断を認めた事例(3年間の中断)別居の分断を認めた事例として、弊所が平成 28 年4月に横浜家庭裁判所で和解した事案(森・森元 25)として、13 年間同居した夫婦が3年間の別居後、やり直すために同居したが、2年後再び別居した事案がある。裁判所は、1回目の同居から再び同居に至るまでの3年という長さを考え、第1回の別居を基準日とし、3年間に増加した財産は、財産分与対象財産にならないとした。⑶ 別居の分断を認めなかった事例(2週間の中断)広島高岡山支判平 16・6・18 判時 1902・61 は、同居期間3年の夫婦が同居期間中に2週間程度別居した事案で、全体としてみれば、この間も夫婦の経済的協力関係は継続していたと評価し、協力関係の中断を認めなかった。平日は職場近くのマンション等で生活し、週末のみ自宅に帰っていた場合、基準日はいつか。夫が、もともと妻と不仲で別居生活を開始し、子に会うためだけに週末に自宅に帰っていたが、次第にその回数も減り、最後は帰宅しなくなった場合は、基準日は別居した日になる。これに対し、夫が通勤時間

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