裁少
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2331 少年事件の調査・審判第 2 調査進行中の連携加藤(司会) 次に,調査中の裁判官,調査官,書記官の連携について,まず裁判官に伺っていきたいと思います。髙田 裁判官の髙田です。私は,法律記録の検討をしたところで,調査官や書記官と簡単に意見交換を行うようにしています。殊に,身柄事件で補導委託が見込まれる場合,在宅処遇が見込まれるが少年の帰住先がなく,帰住先を見つけなければならない場合などは,早くから動かなければ時間切れとなってしまいますので,早期に打合せをするようにしています。加藤(司会) どのように打合せをするのでしょうか。髙田 短時間,立ち話をするという場合もありますし,より詰めて考えなければならないときには,しっかりと時間をとって打合せをすることもあります。藤永 裁判官は,調査官・書記官と,必要に応じて随時情報を共有しながら協働して調査・審判の進行を検討していく必要があって,調査官任せにしてはいけないと思っています。その意味で,カンファレンスは三職種の連携を図る上で重要なものです。 段階ごとにカンファレンスの内容を整理すると,まず初期においては,犯情の評価,調査対象の範囲,被害者対応,保護者呼出しなどについて意見交換をします。 中間期においては,調査官調査が進捗して情報が集まってきますので,その状況や調査仮説を簡単に調査官からプレゼンしてもらい,少年の要保護性についての問題の整理や処遇選択上のあい路について意見交換をし,さらに調査すべき事項や働きかけの対象などを確認する中間カンファレンスを行います。試験観察や補導委託の見込みも,この段階で検討します。処遇上悩ましい点について,調査官一人が抱え込むのではなく,裁判官も共に考えることが重要です。 手続進行面での書記官の関与は重要であり,カンファレンスでその観点から意見を述べてもらうことが必要だと考えています。加藤(司会) 調査官はどのような場合に中間カンファレンスをしてほしい

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