ストーリーでわかる 内部通報対応と事実認定
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パワハラストーリー19Q47 客観的証拠の収集 なるほど─。Q69 モニタリング規程第 1 話 パワハラ 「安達さんの話は、まだ具体性に欠けています。まずは、いつ、どこで、何を言われたか、事実関係を引き出しましょう。それから、この案件がハラスメントに該当するかどうかを見極めるべきです」 さらに、遠出は指示を重ねた。 「言った言わないのやり取りだけでなく、証拠の有無を必ず確認してください」 中田が首を傾げると、遠出は淡々と説明を続けた。 「例えば、指示の多くはチャットで行われていませんか? そこに過剰な指示や嫌味のやり取りが記録されている可能性があります。それが“客観的証拠”になります」社内チャットでのやり取りなら、調査担当がマスターアカウントを用いて営業部の記録を確認できる。もし実際に北野が過剰な指示を繰り返していれば、その痕跡が残っている可能性がある。 「まずはそこで証拠を探してから、安達さんに話を聞きます」 中田はそう答え、会議を終えた。 まずは、マスターアカウントを使って、安達と北野のやり取りに関するチャットを調べることにした。社内のシステムにアクセスし、営業部のチャンネルから二人の発言を抽出していく。画面には、淡々とした業務連絡に混じって、北野から安達への細かい指示が次々と並んでいた。 「この報告書はフォントを統一しろ」 「取引先へのメールは必ず事前に見せろ」 「会議ではまず結論から話せ。話が長い」 一見すれば上司としての注意や管理の範疇ともいえる。だが、その頻度は、普通よりも多く感じた。数行ごとに北野の指示が挟まり、安達の返答は短く、時にぶっきらぼうで、時に反論めいたニュアンスを含んでいた。

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