そもそも、どうして会社は内部通報対応を行わなければならないのでしょうか。あるとともに、企業が持続的に成長し、社会から信頼される存在であり続けるために不可欠だからです。内部通報は、企業の不正や不祥事を早期に発見し、被害を最小限に抑える機能を果たすだけでなく、従業員に安心感を与え、企業価値や社会的信用を守る重要な仕組みでもあります。解説1 法令遵守(コンプライアンス)の徹底 内部通報対応が必要とされる根本的な理由として、法令遵守の観点が挙げられます。日本では公益通報者保護法が改正され、一定規模以上の事業者には内部通報窓口の設置や適切な対応体制の整備が義務付けられています。これを怠れば行政指導や罰則の対象となり得るだけでなく、コンプライアンス体制が脆弱であるとみなされ、取引先や株主からの信頼を失うおそれもあります。 また、海外でも各国で内部通報制度の整備が求められており、グローバルに活動する企業にとっては法令遵守の国際的な要請に応える必要もあります。このように、内部通報制度は単なる任意的な仕組みではなく、法的に要求される社会的責務の一環なのです。2 従業員の安心感と健全な組織風土の醸成 内部通報対応は従業員の心理的な安全性を高める効果を持ちます。職場で不正やハラスメントなどを目にした従業員が「会社に相談しても握りつぶされる」と感じれば、職場に不信感が広がり、従業員のモチベーションやエンゲージメントが低下します。逆に、通報窓口が公正かつ適切に機能していると従業員は安心して声を上げることができ、「会社は自分たちを守ってくれる」という信頼感を持つことができます。これは人材の定着や採用にもつながり、企業文化を健全に保つための基盤となります。内部通報対応は、従業92Q 1 内部通報対応の必要性A 会社が内部通報対応を行わなければならないのは、法令上の要請で
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