iはしがき 今般の改正の目的は「子の利益」を確保することである。 これまで、離婚や面会交流など子をめぐって父母が激しく対立する事件に多く携わる中、父あるいは母の主張や思いばかりがあふれ、子にとってよりよい解決の在り方を求めるという最も重要な観点が実現されただろうかと、胸のつかえが残ったままに感じる経験も少なくなかった。特に、離婚後単独親権しか選択肢がなかった改正前民法下においては、父母が一つしかない「親権」の席を確保するための争奪戦を繰り広げ、自分がいかに親権者としてふさわしいか、相手がいかにふさわしくないか、過去に目を向けた主張と非難に終始しがちで、離婚後において子と父母との関係をどう再構築するのか、子のために協力関係をどう築くかという未来志向の視点が醸成しにくいものであったことは否定し難い。 もちろん、子への虐待や配偶者に対するDVなどにより、父母の一方が他方あるいは子との関係を極力絶つことが不可欠であり、そのために単独親権が必要な事案もある。しかし、DVや虐待のない家族もある中で、子の利益を中心とした父母の紛争解決を実現するための実務運用、そして法改正が必要ではないか。また、「親権」の考え方についても諸外国の制度も参考にしながら検討する必要があるのではないか。 日本弁護士連合会家事法制委員会は、2000年初頭からこうした問題意識を持ちつつ、シンポジウムの開催やドイツ・フランスなどの海外調査、日本国内の家事実務の実態調査、裁判所との意見交換などの活動を行ってきた。 一方、家族法の分野は、家事事件手続法の制定、相続法改正、特別養子制度改正、親子法改正等々、近年における改正の動きが非常に活発となっている。これらの改正は、国民の権利意識の向上、共働き世帯の増加、少子化、高齢化、価値観・意識の多様化、国際化など、社会の変化や国民の生活・考えの変化の影響を大きく受けている。 そして、今般、こうした時代の潮流を受け、離婚後に共同親権を選択することができる離婚後の選択的共同親権制度の導入のほか、親権の行使方法、は し が き
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